認知症になる前に話しておきたい「最期の時間」のこと|後悔しないための話し合い

【医療従事者者・介護士向け】

こんにちは。さかもとです。
記事を開いてくださってありがとうございます。

日本では、生前に「人生の最期」について話すことを
「縁起でもない」「まだ早い」と避ける文化が、今も少なからず残っています。

ですが、その結果どうなっているかといいますと…

「最期までどう生きたいか」と本人の意思決定をした時にはすでに
・超高齢になっている
・重度の認知症が進行している
・自分で意思決定ができない状態になっている

という場面が多くみられます。

そうなると、人生の大きな選択はすべて家族にゆだねられることになります。

1.認知症が進行すると起こる問題|本人の意思がわからないまま決断する現実

本人の意思が確認できない状態の意思決定には、大きく分けて二つの問題があります。

一つ目は、
ご本人の意思が十分に尊重されない可能性があること

二つ目は
その判断の重荷をすべて家族が背負うことになること

延命治療、食事の方法、どこで過ごしたいか
どんな決定をしても、
・これでよかったのか
・本当は違う選択を望んでいたんじゃないか

と家族は後悔を抱えやすくなります。

2.「一度で決める」必要はありません|大切なことは最期の時間は何度も話合うこと

人生の最期について話す、と聞くと
「一度で全て決めきらなければいけない」
「深く話し込まなければならない」
と家族会議のようにイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも必要なことはそういった話し合いではありません。

必要なことは、意思決定ができるうちに何度も話し合いを重ねることです。
なぜなら、

・人の気持ちは変化する
・不測の事態が起こりうる
・状況によって考え方も変化する

といったことがあるからです。

一度で全て話し、おしまいではなく、何度も話して共有します。
そうすることでもし不測の事態が起きても、変化に対応して
家族がご本人の意思を推測しやすくなるという大きな意味があります。

3.延命治療や胃瘻の判断はどう考える?|情報に振り回されないために

今は情報が簡単に手に入る時代です。
その一方で誤った情報も多く流れているのが現実です。
・「胃瘻はよくない」
・「経管栄養は絶対に嫌だ」

と、極端で誤解を含んだ情報を信じたまま、命に関わる決断をしてしまうケースも少なくありません。

もしそういった医療行為について家族に判断がゆだねられた場合は、主治医の説明をよく聞いて、臨機応変に、冷静に考えることをお勧めします。

あなたの家族をよく知っているのはインターネットでも、テレビでもなく、実際に関わった医療現場の専門家の方々とあなた方家族です。

正解は一つではなく、その人、その時の状況で変化します。

4.「最期の話」を切り出しやすいタイミングとは?|日常の中のきっかけ

人生の最期について話すのは確かに勇気がいります。
ですが、実際には話しやすいタイミングというものがあります。

例えば、
・ニュースで芸能人の訃報や、生命に関わる感染症の話題が出た時
・近所の方や親戚の訃報・闘病の話が入った時
・認知症をはじめ、何らかの病気の診断がついたとき

こうした場面で
「自分ならどう思う?」
「もしものとき、どうしたい?」
と何気なく話題に出してみる程度で大丈夫です。

最初から深く話す必要はありません。
構え過ぎずに話題にしてみましょう。
話し合いの積み重ねの一つになります。

一度話すと二度目、三度目は意外と楽に話せるようになります。

また、一度目では本心を話せない方も多いです。
・「施設でもいい」と言っていたが、本当は最期まで家で過ごしたい
・「延命治療はいらない」と言いつつ、心ではそうなったら助けてほしいと思っている

と何度か話すうち少しずつ本音が見えてくることもあります。

5.医療従事者の方へ|最期の時間の話を自然に切り出す一言

医療従事者の立場では、話題にしにくいと感じる方も多いと思います。
話し方によっては不快な思いをさせ、その後の信頼関係・治療に影響を及ぼす場合もあります。

その場合、初診の際に
「必ず皆さんに聞いているのですが」
といった前置きをすることでハードルを下げることができます。

また、聞き方も最初から「最期はどう過ごしたいか」を直接聞くのではなく、

「もしご飯を食べれられなくなったらどうされたいですか?」

といった生活に近い質問から入り、深堀していくことも一つの方法です。

6.最期の時間とあわせて考えたい|財産の話をしておく意味

人生の最期について考える中で、財産の話も避けては通れません。

「そんなにないから適当に分ければいい」
という方もいらっしゃるようですが、実際にはトラブルになることが多いです。

どうしても話しにくい場合は、第三者からきっかけを作ってもらうことも有効です。

例えば、

・訪問診療の医師
・ヘルパーさん

などから、「いろいろな方を看取ってきましたが、財産の話は早めにしておいたほうがあとから揉めにくいみたいですよ。」

などと本人に伝えてもらうだけでも、話し合いのきっかけになります。

また、お金の話ではどうしても「取り分」が話題の中心になってしまいがちです。
ですが、まず大切にしてほしいことは感謝の気持ちです。

介護を担ってくれた人への感謝を忘れず、
できるだけ納得できる形で話し合えることが望ましいでしょう。

7.最期の時間を話すことは「死」の話ではありません

「最期の時間」をどう過ごしたいかを話すことは
死の話をすることではありません。

その人らしく生きる時間をどう守るかの話です。

認知症と向き合うからこそ、
元気なうち、話せるうちに
少しずつ話しておくことに意味があります。

一度で決めなくていい、完璧でなくてかまいません。

「話したことがある」
それだけで未来の選択はきっと楽になります。

また、最期の時間の過ごし方を考えるうえで「介護施設」を選択肢として考えることもあるかと思います。以下の記事で後悔しない介護施設の選び方も解説しています。暮らし方を考えるうえで参考にしてみてください。
【家族向け】後悔しない介護施設の選び方|見学で必ず確認したいポイント

最後までお読みいただきありがとうございました。

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