こんにちは。さかもとです。
突然ですが、ご自身の両親や祖父・祖母など身近な人にこんな変化はありませんか？
・最近物忘れが増えてきた
・家事などの日常で細かなミスが目立つようになった
そんな「あれ？」と思ことは、加齢による自然なものなのか、認知症のサインなのか…。
家族でも判断が難しいものです。
今回は、認知症とはどんな病気か、また早期発見のためのポイントをわかりやすく解説します。
また、日常生活に支障をきたすようになったら、迷わず専門家に相談することをお勧めします。
１．認知症は物忘れだけじゃない|「もしかして？」と思ったら
前提として、年齢を重ねれば誰しもがちょっとしたミスや物忘れは起きることです。
そのため、ご家族でも「老化なのか認知症なのか」が非常に分かりにくいのです。
しかし、認知症は早期発見し、早くから治療することで進行を遅らせることができます。
簡単に言うと、認知症とは脳の一部の機能の働きが鈍くなってしまい、生活に支障をきたす様々な症状が現れる病気です。
認知症の症状には、
・中心のなる４つの「中核症状」
・そこから派生する「周辺症状」
の２種類があります。
次項からはそぞれについて詳しくかいせつします。
２．認知症の方がわからなくなるもの|「中核症状」とは？
図の中心にある４つの症状は「中核症状」と言われます。これらは脳の一部が機能しなくなっていることが原因で起こるため改善することは難しいとされています。
・記憶障害
⇒物事を覚えること、その記憶を思い出すことが難しくなります。
・見当識障害
⇒現在の時間、場所、人物がわからなくなります。時間＞場所＞人物で分からなくなりやすいと言われています。
・遂行機能障害
⇒周囲の状況が理解できず物事を順序立てて考えることが難しくなり、段取りを組めなくなります。
例：料理の手順がわからなくなるなど
・高次脳機能障害
⇒会話でのコミュニケーションや読み書きなど言語に関する能力が低下し、会話がちぐはぐになったりします。
これら中核症状は程度に個人差はありますが、認知症と診断されるとほとんどの人にこれらの症状は現れます。
３．暴言や徘徊は治る？|「周辺症状」とは？
一方で、図の周囲にある黄色い丸のような症状を「周辺症状」と呼びます。
周辺症状は上記の図以外にも様々あり、認知症ケアでご家族が悩まれることの多くはこの「周辺症状」です。
前述の４つの中核症状によって心理的不安を抱えた状況になり、様々な周辺症状を引き起こします。
・例：昔から家庭を支えてきた母親の場合
「私が認知症になったら家庭が終わってしまう…」「私がしっかりしないと…」
などの強い責任感や不安から
⇒「作り話で取り繕うこと」や「攻撃的・暴力的になる」ことで自分を大きく見せようとしてしまうことがある。
こういった心理的な問題が絡んでいるのがこの周辺症状で、「性格の問題」ではなく不安を大きく抱えたサインだと捉えるようにしましょう。
逆に言うと、その強い責任から逃してあげたり、心理的に安心してもらうことができれば周辺症状は改善されることがあります。
そのためには「なぜイライラしてしまうのか」「なぜ徘徊してしまうのか」等その原因をその方の性格や人生史に照らし合わせながら深堀りしていく必要があります。
４．認知症？それとも普通の老化？見分ける３つのポイント
認知症の物忘れと加齢による物忘れを見分けるポイントは「中核症状」にあります。
具体的には以下の３つのポイントです。
①物忘れの自覚があるか
・加齢：忘れたことを自覚している
・認知症：忘れたこと自体を忘れている
②エピソード自体を覚えているか
朝食の例でいうと
・加齢：何を食べたか思い出せない
・認知症：朝食を食べたこと自体を忘れている
③最近のことを覚えているか
通常、直近のことであれば鮮明に覚えていますが、認知症の方は直近のことをすぐに忘れており、覚えていられないことが多いです。
これらに当てはまったり、当てはまらない場合でも日常生活に支障をきたしていれば専門家に相談するようにしましょう。
５．家族ができる認知症予防のサポート
ここまでお話しさせていただいたように、認知症とはいろいろな要因の組み合わせで起こります。
しかし、「脳」も身体の一部です。脳が健康であるためには身体が健康でなければなりません。
・バランスのいい食事
・適度な運動
・十分な睡眠
これらがすべて認知症の予防となり、生活面でサポートすることができます。
それか、さらにもっと大切なことがあります。
それは「関わること」です。
認知症の進行を促進してしまうことは孤独に過ごすことと言われています。
「話す」「一緒に何かをする」「否定しない」
これだけでも認知症予防や進行の妨げ、周辺症状の安定につながります。
また、認知症の方との基本的な関わり方・考え方はこちらの記事で解説しています。合わせてご覧ください
最後までお読みいただきありがとうございました。
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