【医療従事者・介護士向け】認知症を持つ方の「良い状態」とは?ケアの見極め方を解説

【医療従事者者・介護士向け】

こんにちは。さかもとです。記事をご覧いただきありがとうございます。

現場で働いている際、こんな方々を見た事がありませんか?

・常に怒っていて、興奮されている方

・話しかけても無気力であり、部屋に引きこもりがちの方

これらの状態はもちろん、その方々にとってやすらげている「良い状態」とは言えないでしょう。

では、ご本人がやすらぎを得ている「良い状態」とはなにか。

本記事ではその「良い状態」の時に出すサインについて解説していきます。

1.やすらげていない「悪い状態」のサイン

まず、いい状態のサインの前に、「悪い状態」のサインから解説します。

・(相手にされない)悲しさや寂しさがある

・身体的な不快や痛みがある(身体抑制など)

・無気力や引きこもり

・興奮や強度の怒り

・(スタッフなどの)他人に抵抗することが困難

・退屈

・不安、絶望

・文化的疎外(cultural deprivation)

などがあります。

例えば冒頭の例であれば、興奮、強度の怒り・無気力や引きこもりに該当するでしょう。

また、聞きなじみのない「文化的疎外(cultural deprivation)」についてはご本人の習慣や個性が無視されている状態のことを指します。

そして、これら「悪い状態のサイン」をできるだけ少ない状態にしていくことが認知症ケアにとって最重要です。

2.やすらぎを意味する「良い状態」のサイン

続いて今回の本題でもある認知症を持つ方にとっての「良い状態」のサインです。

・自分の意見をはっきり述べられる

・身体的にくつろぐことができている

・自尊心(汚れや乱れを機にする等)をみせることができている

・他人に対する思いやり・援助がみられる

・社会的関わりをもつ

・感情・愛情の表現ができる

・ユーモアがある

などです。この中では特に「自分の意見が述べられている」ときはとてもいい状態だといえます。

現場でよくみられる例で言えば

・「おなかがすいたからご飯を早く出してほしい」

・「トイレに行きたくなったから連れて行ってほしい」

などがあります。

このような場合、実際にその希望にこ応えることができないことも多くあると思います。

その場合はなぜ、今はそれができないのかを説明したうえで意見を述べてくれたことに対して「ちゃんと伝えてくださってありがとうございます」と感謝・賞賛を贈れるといいかと思います。

また、前項とは反対に、このような状態をできるだけ保つことが、認知症ケアとして重要です。

3.「良い状態」?「悪い状態」?よくある具体例と解説

ここからよくある具体例をもとに解説していきます。

例① 

施設内での朝食はお米と決まっていることに「いつも朝はパンを食べていたからパンでないと食べたくない!」と大きな声で怒鳴っている

このような場合、「毎日パンを食べていた」という習慣が阻害されてしまっていて、「文化的疎外」にあたるため「悪い状態」だと言えるわけです。

また、一見「パンでないと食べたくない」と意見がいえているようにも見えますが、「大きな声で怒鳴る」という点において「興奮、強度の怒り」にあたり、結果的に「悪い状態」だといえます。

ではどうしたらいいのかというと…

施設によっては、朝食をパン・お米で選ぶことができる施設があるそうです。

これが文化的疎外を回避することができると思います。

また、よくある例だと「決められた時間にお風呂や、食事がある」ということも厳密には習慣を無視しており、文化的疎外に当たると筆者は考えています。

例②

病院でのリハビリ中、リハビリ室から部屋に勝手に戻ろうとする患者様。「リハビリ中です」と声をかけると「家に帰りたい」と訴えられた。

この場合はリハビリ室から出ようとしてしまっているという点において、私たちの視点からみてしまうとよくない状態だと捉えてしまう方がいるかもしれません。

しかしこれは、「家に帰りたい」という「意見がはっきり述べられている」状態です。つまり前項の「良い状態」に該当するのです。

認知症ケアにおいては自分たちの視点ではなく、その方の視点に立って考える必要があります。

ここで重要なことは、この「良い状態」を保つための対応・関わり方です。

もちろん、腕を引いてリハビリ室に連れ戻すことはしてはいけません。

「自分の意見が言えた」ということを素晴らしいことだと捉え、その言動を受け入れ、理解を深める必要があります。

例③

職員に嫌がられるような性的な接触をする(セクハラ行為)

施設や病院で働いているとよくあることかと思います。

これは「認知症」の方々にとっては一種の愛情表現であったり、社会への帰属意識の表れである可能性もあります。

そのため、この行為が起こること自体が「認知症を持つ方々にとっての悪い状態」とは言えません。

このような女性に興味を持つといった行為自体は悪いことではありません。しかし、性的な接触ということは「認知症」や「年齢」に関係なく、一般常識として「人としてやってはいけないこと」という認識でご本人に伝えていく必要があります。

4.認知症を持つ方にとっての「良い状態」を保つために

ここまで、認知症を持つ方にとっての「良い状態」のサインについて解説してきました。

重要なことはこの「良い状態」を保ち続け、認知症を持つ方かたが混乱を招かずに、落ち着いて過ごすことができる環境を作ることです。

そのためには相手の視点に立った適切な関わり方が最重要だと筆者は日々感じています。

以下の記事で「認知症ケアにおける関わり方の基本」を詳しく解説しています。

認知症ケアで一番大切なこととは?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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